プロジェクト事例

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事例4:かごしま材の家づくりプロジェクト

県では、住宅及び木材の関係者が連携して、かごしま材を使用した家づくりを推進しています。このプロジェクトは、「かごしま材の家」の建設や「認証かごしま材」の利用を促進し、県民のみなさまへ、良質な木造住宅を供給するとともに、県内の健全な森林育成や地域関連産業の活性化を図ることを目的としています。
はじめに:鹿児島エリアの特徴
鹿児島県は、離島人口(159,486人)及び離島面積(約2,485㎢)、有人離島数(人が住んでいる離島数)が26という全国でも有数の離島県です。温帯から亜熱帯にわたる南北約600kmの広大な県域に広がる島々は、真っ青な海をはじめとする温暖で豊かな自然環境や個性的な伝統文化、健康的で特色ある郷土料理など、個性あふれる島々ばかりです。
平成22年3月23日現在で、全43市町村(19市・20町・4村)が存在します。
住宅については、鹿児島県の住宅市場動向の資料を参照しました。資料によると、鹿児島県の住まいの特徴を見ると、持家は、減少傾向のなか、平成25年度はわずかに増加していますが、平成26年度に減少。 貸家は、平成18年度以降減少、平成23年度に最も落ち込み、以降は回復基調しています。 鹿児島県の新設住宅着工における木造率は、平成 21 年度より回復基調で、平成 26 年度は 63.2%で、全国(55.2%)と比べて高い割合となっています。
平成 26 年度の長期優良住宅認定戸数(累計)は、平成 23 年度の 3.2 倍の 4,560 戸となっています。



地元の優良企業である南日本ハウスのサイトには鹿児島エリアの不動産情報がわかりやすくまとめられています。歴史ある街並みが温存されていたり文化財や歴史的建造物が残っている町も多く存在します。土地や新築一戸建ての割合が多いのも特徴です。
鹿児島県環境マネジメントシステムの概要
鹿児島県の環境マネジメントシステムについては、平成18年3月にISO14001の認証を取得し取り組んできましたが、より効果的かつ効率的な運用を図るため、平成26年4月から、これまでのノウハウを活用した県独自の環境マネジメントシステムに移行し、運用を行っています。

システムは、まず知事が環境方針を立て、その実現のために計画(Plan)し、それを実施・運用(Do)し、その結果を点検・是正(Check)し、不都合があった場合はそれを見直し(Act)、再度計画を立てるというPDCAサイクルにより、継続的な改善を行う仕組みとなっています。

地球環境を守るかごしま県民運動とは
私たちの日常生活を通じて排出される二酸化炭素等の温室効果ガスが原因で、地球温暖化が急速に進んでいます。
このまま何もしないで放置すれば、地球規模での環境破壊につながり、私たち人類をはじめ全ての生物の生存基盤さえ危うくなることが懸念されており、温室効果ガスの排出量を削減し、同ガス濃度を安定化させるために、地球温暖化対策を強力に推進する必要があります。
「地球環境を守るかごしま県民運動」は、このような状況を踏まえ、県民・事業者・行政が一体となって、日常生活や通常の事業活動において、電気や燃料の消費、自動車の使用、ごみの排出など身近なところから、地球環境の保全のための具体的な実践活動に取り組み、かけがえのない地球環境を守り育て、次の世代に引き継いでいくことを目的としています。
運動の推進体制
1.この運動を展開するために、事業者団体・民間団体・行政等で構成する「地球環境を守るかごしま県民運動推進会議」(会長:知事)を設置し運動を進めています。
2.地域や企業・団体等において、普及・啓発や指導・助言等を行うために、構成団体ごと及び各市町村ごとに「地球環境を守るかごしま県民運動推進員」を委嘱して、広く県民運動を展開しています。
3.地球温暖化に関する知識の普及・推進を図るために、地球温暖化防止活動インストラクターを委嘱(11名)し、県民運動推進員や県民に対し、助言・支援を行っています。


認証かごしま材優良木造住宅建設基準
1.設計者及び工事監理者または、施工者のいずれかが、かごしま材取扱店であること。

2.在来工法の木造住宅であること。

3.認証かごしま材の使用量が次の各号のいずれかに該当すること。
(1)柱・半柱・間柱の構造材が、当該部材の体積比で80%以上
(2)構造材が住宅の延べ面積に0.023立方メートル/平方メートルを乗じて得た数値以上
(3)造作材、下地材及びフローリングの合計面積が16平方メートル以上
(4)上記(1)、(2)のいずれかにおける認証かごしま材の実使用比と(3)における同材の実使用比の数値の合計が1以上

4.隅柱及び通柱の小径は、原則として、12センチメートル角以上とすること。
5.基礎は一体の鉄筋コンクリート造の布基礎又はべた基礎とし、地面からその上端までの高さは40センチメートル以上とすること。

6.原則として、小屋裏の壁で屋外に面するもの又は軒裏には換気上有効な位置に2以上の換気孔を設けるものとし、換気孔の有効面積の天井の面積に対する割合は、300分の1以上とすること。

7.外壁の床下部分には、原則として、壁の長さ4メートル以下ごとに有効面積300平方センチメートル以上の換気孔を設け、床下はコンクリート、防湿フィルムその他これらに類する材料で覆うこと。

認証かごしま材の家金利優遇制度とは
認証かごしま材の家の新築・購入に対して、住宅ローンの金利等が優遇される制度です。
金融機関と県が連携して、住宅ローンの金利等の優遇を行うことで、かごしま材の家づくりをバックアップしています。

【参考文献】
鹿児島県
http://www.pref.kagoshima.jp/ad02/kurashi-kankyo/kankyo/ondanka/kenchosya/isogaiyou.html
鹿児島市
http://www.city.kagoshima.lg.jp/
鹿児島県の住宅市場動向
http://www.pref.kagoshima.jp/ah14/kurashi-kankyo/sumai/tokei/documents/1402_20160906202658-1.pdf